Letter 生理:鳥類の磁気感受の化学コンパスモデル 2008年5月15日 Nature 453, 7193 doi: 10.1038/nature06834 鳥類・哺乳類・爬虫類・両生類・魚類・甲殻類・昆虫などが含まれる50種ほどの動物が、地磁気を定位や航路決定に使っていることが知られている。これについては特に鳥類で集中的に研究されているが、鳥類の磁気コンパスの基盤となる生物物理学的機構はまだほとんど解明されていない。磁気感受性のフリーラジカル反応に基づく仮説が支持を得ているが、in vitroで地磁気程度(およそ50 µT)の弱い磁場に反応したり、そのような磁場の方向に感受性を示したりすることが明らかになった化学反応は、これまでのところ皆無である。今回我々は、カロテノイド-ポルフィリン-フラーレンモデル系の分光学的観測を使って、光化学反応により形成されたラジカル対の寿命が約50 µT以下の磁場によって変化することを実証し、ラジカル対が化学コンパスセンサーとして機能するのに不可欠な異方性の化学反応を計測した。これらの実験により、化学的な磁気感知が現実にありうることが立証され、地磁気の方向の最適な検出に必要な構造的・動力学的な設計上の特徴について考察することができる。 Full Text PDF 目次へ戻る