Article 免疫:アリール炭化水素受容体によるTreg細胞とTH17細胞の分化制御 2008年5月1日 Nature 453, 7191 doi: 10.1038/nature06880 転写因子Foxp3を発現する調節性T細胞(Treg)は、免疫系の自己反応性要素を制御する。Treg細胞の発生は、インターロイキン-17を産生する炎症促進性T細胞(TH17)の発生と、相反的な関係にある。Treg細胞の機能不全および(あるいは)TH17細胞の調節異常は自己免疫疾患の発症に寄与すると考えられているが、これらの細胞系統の発生を制御する生理的経路についてはほとんど知られていない。本論文では、マウスで、リガンドによって活性化される転写因子、アリール炭化水素受容体(AHR)がTreg細胞とTH17細胞の分化の調節因子であることを同定し、これを報告する。AHRのリガンドである2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシンによるAHRの活性化によって機能的なTreg細胞が誘導され、実験的自己免疫性脳脊髄炎が抑制された。一方、6-ホルミルインドロ(3,2-b)カルバゾールによるAHRの活性化によって、マウスではTreg細胞の発生阻害、TH17細胞の分化促進、および実験的自己免疫性脳脊髄炎の重症度の増加が認められた。したがって、AHRはリガンド特異的な方法でTreg細胞とTH17細胞両方の分化を調節しており、治療的な免疫修飾のための珍しい標的となる。 Full Text PDF 目次へ戻る