Letter 進化:ヒダテラ科は裸子植物に近いスイレン類である 2008年5月1日 Nature 453, 7191 doi: 10.1038/nature06733 被子植物のヒダテラ科(Hydatellaceae)は、原始的被子植物の系統であるスイレン目に近いことが最近発見された。系統学的に重要な位置を占めていることから、ヒダテラ科植物は被子植物の起源と初期の多様化についての手がかりをもたらす可能性がある。本論文では、ヒダテラ(Hydatella)でみられる極めてまれないくつかの発生学的特徴が、スイレン目植物にのみ併存していることを示す。成熟すると、雌性配偶体は4細胞4核となり二倍体の内乳を生ずるが、これは最も初期に分岐した被子植物系統の特徴である。すべてのスイレン目植物と同様に、ヒダテラの内乳は発達が最小限であり、種子内で胚に栄養を供給する主要な組織は周乳である。注目すべきことに、ヒダテラは母性組織が種子に栄養を供給する戦略をとっており、これは他の被子植物にはみられないが、裸子植物ではすべてに共通してみられる。この戦略では、胚に栄養を供給する組織に対して受精前から栄養を配分しておく。ヒダテラでの母性組織から種子への受精前栄養供給というこの例外的事例は、ヒダテラ科だけの派生的形質と考えられるが、最近の知見で明らかになったヒダテラ科の系統学的位置づけから、祖先の裸子植物から生じた最古の被子植物がもっていた原始的で過渡的な状態を示している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る