Letter 遺伝:世界のヒト集団における遺伝子型、ハプロタイプ、コピー数の差異 2008年2月21日 Nature 451, 7181 doi: 10.1038/nature06742 個体集団全体にわたるゲノム全域の差異のパターンは、ヒトという生物種の移動、範囲拡大、適応の歴史を解き明かす有力なデータ源である。しかし、遺伝子型やハプロタイプ、コピー数の差異に関する非常に精密な調査は、少数の集団に焦点を絞って行われるのが一般的であった。今回我々は、世界各地の29集団から得た試料を用いて、525,910の一塩基多型(SNP)とコピー数多型のみられる396の遺伝子座に関して、高精度の遺伝子型解析を行った。SNP遺伝子型の解析から、集団構造に関する強い裏付けのある詳細な推定が得られた。アフリカからの地理的距離が大きくなるにつれ連鎖不平衡が多くみられるようになるが、これはヒト集団がアフリカを起源として広がる際に連続的創始者効果が起こったことを考えると予想通りである。ハプロタイプ解析の新手法を用いることによって集団構造に関する推測が得られ、これによって相の特定できないSNPに基づく結果が補完された。検出されたコピー数多型(CNV)の頻度スペクトルには、これまで調べられていなかったオセアニアやアメリカの集団で比較的多くのCNVが認められたことなど、SNPとの違いがみられたものの、全体的なCNVの分布は同程度の規模のSNPデータセット群を用いた集団構造解析の結果とおおよそは一致していた。今回の結果により、集団間の差異について新たな推定が行うことができ、ヒト集団の遺伝学研究におけるCNVの有用性が裏付けられた。この結果は、世界の多様なヒト集団における遺伝学研究に役立つゲノム情報資産となるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る