Letter

宇宙:火星の段丘三角州の急激な水流出による形成

Nature 451, 7181 doi: 10.1038/nature06615

火星表面に残されている三角州や沖積扇状地は、表面での水流についての重要な記録である。表面の水流が観測された地形をどのようにして形成したかを理解することは、火星での水の歴史の解明の基本である。現在まで、地形学的な研究からは火星で起こった水文現象の継続時間に対する下限値の見積もりしか得られておらず、それらの値は数十年間から数百万年間にわたっている。本論文では、砂の移動に関する水路実験によって、火星の特徴的な地形である階段状(テラス状)の三角州が、数十年のタイムスケールで起こる単回の堆積盆現象からだけ生じうることを示す。したがって、段丘三角州からは、火星表面を水が流れた期間と規模の最大値と最小値が得られる。盆地を満たし、堆積により三角州を形成するために必要な水の量は、地球上ならばミシシッピ川のような大河川から排出される水の量と同程度だと推定される。大量の放出、短い継続期間、これに関連する峡谷全長が短いことは、階段状の扇状地形は、沖積扇状地を覆ったテラス状の三角州堆積物であり、表面下の貯水層から突然放出された水によって形成されたという仮説に有利である。

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