Article 細胞:乳がんの転移を抑制するヒトの内因性マイクロRNA 2008年1月10日 Nature 451, 7175 doi: 10.1038/nature06487 がん転移の一般的な調節因子の探索によって、ヒト乳がん細胞に転移能が生じるとともに特異的に発現がなくなる一群のマイクロRNAがみつかった。今回我々は、悪性腫瘍細胞でこれらのマイクロRNAの発現を回復させると、in vivoでヒトがん細胞の肺および骨への転移が抑えられることを示す。これらのマイクロRNAの中で、miR-126の発現を回復させると腫瘍の成長と増殖が全般的に抑えられるのに対し、miR-335の場合には転移細胞の浸潤が抑制される。miR-335は一群の遺伝子を制御しており、ヒト腫瘍の大規模なコホートではこの遺伝子群の集団発現と遠隔転移のリスクが関連している。miR-335は、前駆細胞の転写因子SOX4と細胞外マトリックス成分であるテネイシンCを標的として作用することにより、転移と移動を抑制する。再発患者由来の原発乳がん細胞の大半でmiR-126とmiR-335の発現がなくなっており、これらのマイクロRNAどちらかの発現がない場合には、遠隔転移のない生存例はわずかである。したがってmiR-335とmiR-126は、ヒト乳がんで転移を抑制するマイクロRNAであることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る