Article

細胞:RNAを介したゲノム再編成経路のエピジェネティックなプログラミング

Nature 451, 7175 doi: 10.1038/nature06452

ゲノム規模のDNA再編成は多くの真核生物でみられるが、繊毛虫類におけるものが非常に大掛かりであることから、この仲間はエピジェネティックな現象のモデル系として好適とされている。繊毛虫Oxytricha trifallaxでは、体細胞系列細胞の核にあたる大核が発達する間に、生殖系列細胞の核にあたる小核の95%が破壊され、その染色体は著しく断片化された後、残っている数十万の断片が置換や逆位によってつなぎ合わされる。本研究では、DNAまたはRNAの鋳型が、Oxytrichaにおけるこのようなゲノム再編成を統御できることを示し、生殖系列ゲノムと体細胞系列ゲノムの間で配列依存的な比較が行われているとするエピジェネティック・モデルを裏付ける。母細胞由来の体細胞系列ゲノムの全RNAの蓄えは、特定の発生段階で利用可能であって、この期間に正確で厳密なDNA再編成の鋳型が供与されている可能性がある。我々は、DNAの集合を誘導するとみられる母細胞由来RNA鋳型の存在を明らかにし、特定のRNA分子を破壊すると、それに対応する遺伝子の再編成が損なわれることを示す。人工的な鋳型を注入するとDNA再編成経路の再プログラミングが起こることから、RNA分子がゲノム再編成を導くことが示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度