Letter 物理:臨界カシミール力の直接測定 2008年1月10日 Nature 451, 7175 doi: 10.1038/nature06443 ゆらいでいる場が2つの表面の間に閉じ込められると、遠距離力が生じる。そのよく知られている例が、2枚の導電性金属板の間に閉じ込められたゼロ点真空ゆらぎに起因する量子電気力学的カシミール力である。その熱力学版が臨界カシミール力で、臨界点付近の2成分液体混合物に浸された表面と表面の間に働き、表面と表面を隔てる流体薄膜内の濃度ゆらぎの閉じ込めに起因する。これまでのところ、この効果が存在するという実験的証拠はすべて間接的なものであった。今回我々は、水と2,6-ルチジンの臨界点に近い混合物に浸された単一コロイド球と平坦なシリカ表面との間の臨界カシミール力を直接測定したことを報告する。我々は全反射顕微鏡法を用いて、フェムトニュートンの分解能で、コロイド球とシリカ表面の間にかかる力をin situで測定した。水と2,6-ルチジンに対するコロイド球とシリカ表面の吸着傾向が同じ場合には引力が、傾向が逆の場合には斥力が測定された。これは理論予測と定量的に一致しており、系の強い温度依存性を示している。我々は、臨界カシミール力のこれらの特徴が、モデル系としてのコロイドの新規利用につながる可能性があると予想している。 Full Text PDF 目次へ戻る