Letter

体性感覚皮質単一ニューロン刺激の行動への反映

Nature 451, 7174 doi: 10.1038/nature06447

感覚皮質の神経活動がどのように知覚と関係しているか解明することは、神経科学の中心的課題の1つである。感覚皮質ニューロンの活動電位は、感覚刺激の性質と強く関連づけられ、個体が刺激について下す主観的判断を反映している。これまでの微小刺激実験によって、感覚ニューロンの活動と行動との直接の共役は確立しており、少数のニューロン集団の活動が感覚的判断に影響を及ぼすことが示唆されている。しかし、微小刺激では、刺激を受けた細胞要素の種類や数を決めることはできない。したがって、個々の皮質ニューロンに対する感覚の影響は未解明といえる。今回我々は、体性感覚皮質の個々のニューロンへの刺激が、刺激検出課題の行動応答に影響することを示す。まず、ラットを低い電流強度のバレル皮質刺激に応答するよう訓練した。次に、細胞近接刺激で個々のニューロンに短い活動電位列を発火させた。ラットは単一細胞刺激を与えた試行で、無刺激時より有意に高い頻度で応答した。刺激の効果は、細胞によって大きく異なり、平均して5%の試行で反応がみられた。おそらく興奮性と思われるニューロンへの刺激では、応答を現す方向に弱いバイアスがかかり、抑制性と思われるニューロンの刺激では、よりばらつきがあって、より強い感覚効果がみられた。単一細胞刺激の応答時間は長く、ばらつきがあった。これらの結果より、1個のニューロンの活動が動物の刺激検出行動に変化を及ぼしうることがわかり、知覚に関する皮質コードが、従来予想されていたよりはるかに疎であることが示唆される。

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