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秋期の温暖化が引き起こす北半球生態系での二酸化炭素の正味の損失

Nature 451, 7174 doi: 10.1038/nature06444

陸上生態系の炭素収支は、秋期と春期の気候変化に特に敏感である。過去20年間で北半球では、春期の温度が約1.1℃、秋期の温度が約0.8℃上昇した。成長期の長期化と光合成能の上昇を特徴とする緑化傾向もこれと同時に起こったことが観測されている。これらの観測結果から、今後春期と秋期の温暖化は、炭素隔離を促進し、正味の炭素吸収が起こる期間がより長くなる可能性があると推測される。本論文では、大気中の二酸化炭素濃度データと生態系の二酸化炭素フラックスの年々変動を解析した。その結果、過去20年の大気の記録から、秋期から冬期の二酸化炭素の蓄積が早く起こる傾向が見いだされた。これは、正味の炭素吸収が起こる期間が短くなったことを示唆している。この傾向は、大気輸送の変化のみでは説明できず、生態系のフラックスデータと併せて考えると、秋期の炭素損失量の増加が示唆される。我々は、陸上生物圏のプロセスベースモデルと衛星観測による植生の緑化指標を用いて、秋期の温暖化に対する北半球の生態系の季節応答の観測データをさらに調べた。その結果、秋期温暖化の場合には光合成と呼吸の両方が増加するものの、呼吸増加量の方が大きいことが見いだされた。これに対して、春期温暖化の場合は、呼吸よりも光合成を増進することがわかった。これらのシミュレーション結果と観測結果は、秋期の温暖化に応答して、北半球の陸上生態系は現在二酸化炭素を失っている可能性を示している。その感度は約0.2 PgC℃−1で、春期の二酸化炭素吸収量増大分の90%を相殺する。今後、秋期の温暖化が春期より速い速度で起これば、北半球の生態系が炭素を隔離する能力は、従来示唆されていたよりも早く減退するかもしれない。

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