Letter

スピンアイスにおける磁気単極子

Nature 451, 7174 doi: 10.1038/nature06433

電子などの電荷をもつ粒子は、どこにでも存在する。これに対して、正味の磁荷をもつ素粒子は、徹底的な探索が長期にわたって行われたにもかかわらず、これまで観測されていない。我々は、別の手法、すなわちそれらを素粒子としてではなく創発的粒子(emergent particle)として、つまり強く相互作用する多体系に存在する相関の現れとして実現する手法を追求している。創発的準粒子の最も顕著な例は、量子ホール物理における分数電荷e/3をもつ準粒子である。今回我々は、一括してスピンアイスと呼ばれている一種のエキゾチック磁石で磁気単極子が現れる、すなわち、もともとあった電子自由度の双極子モーメントが単極子に分かれることを提示する。これにより、磁場中のスピンアイスにおいて実験的に観察された不可解な相転移を説明できると考えられ、この相転移は磁気単極子の気体-液体転移である可能性がある。また、これらの単極子は、他の手段、例えばスタンフォード大学で行われた磁気単極子探索に倣った実験などによっても検出可能である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度