Letter 化学:平面4配位された鉄を含む無限層酸化物 2007年12月13日 Nature 450, 7172 doi: 10.1038/nature06382 従来の高温反応で得られる遷移金属酸化物における局所構造(配位構造)は、その遷移金属に固有の安定な配位多面体に限られてしまう。例えば、鉄原子はほぼ例外なく4面体や8面体などの3次元多面体配位をとる。しかし、最近の研究によって、金属水素化物を低温で働く還元剤として利用すると、新しい構造が得られることが示されている。今回我々は、ペロブスカイト型SrFeO3とCaH2を反応させ、Fe2+の周りに酸素が平面4配位した新化合物SrFeO2を得ることに成功した。SrFeO2は「無限層」高温超伝導銅酸化物と同型構造であり、2次元構造をとるにもかかわらず、室温よりはるかに高い温度で磁気秩序を示す。このことは、Feのd軌道とOのp軌道の強い混成による強い層内磁気相互作用の存在を示している。D4h点対称のFe2+基底状態では、2重軌道縮退のため低温で構造が不安定になると予想されるが、意外なことに、SrFeO2にはそのような構造不安定性が現れない。SrFeO2とSrFeO3の間の酸化還元反応は、ブラウンミレライト型中間体のSrFeO2.5を経て進み、比較的低温の約400 Kで開始される。したがって、この材料は、酸素イオン伝導、酸素ガス吸収、触媒反応などさまざまな用途に好適と考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る