Letter 細胞:ウイルスのマイクロRNAは細胞のmiR-155のオーソログとして機能する 2007年12月13日 Nature 450, 7172 doi: 10.1038/nature05992 後生動物の真核細胞はいずれも、マイクロRNA(miRNA)と呼ばれる、およそ22ヌクレオチドの調節性RNAを発現している。miRNAは、自身と相補的な配列をもつメッセンジャーRNAの発現を抑制できる。また、いくつかのDNAウイルスも感染細胞でmiRNAを発現することが知られており、miRNAはウイルスの複製と病原性に関与していると考えられる。特定のウイルスmiRNAが、ウイルスのmRNAを自己調節したり、細胞のmRNAを抑制したりすることが示されているが、ほとんどのウイルスmiRNAの機能は明らかになっていない。本論文では、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)がコードするmiR-K12-11 miRNAが、miRNAの「シード」領域全体を含めて、細胞のmiR-155と顕著な相同性を示すことを報告する。さまざまな分析を行ったところ、miR-K12-11あるいはmiR-155の生理的レベルの発現により、細胞増殖の調節に役割を担っていることが知られている遺伝子など、両者に共通の広範囲にわたるmRNA標的が抑制されることがわかった。今回の結果は、ウイルスのmiR-K12-11が、細胞のmiR-155のオーソログとして機能すること、そしておそらくは、B細胞に既に存在している遺伝子調節経路を利用できるように進化したことを示している。さらに、B細胞の形質転換ではmiR-155がその原因的役割を果たすことが知られていることから、miR-K12-11が感染者でのKSHV陽性B細胞腫瘍の発生に寄与している可能性が示唆される。 Full Text PDF 目次へ戻る