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細胞:SRAドメインタンパク質Np95は、Dnmt1をメチル化DNA領域へ集積させることによって、エピジェネティックな遺伝現象を仲介する

Nature 450, 7171 doi: 10.1038/nature06397

DNAメチルトランスフェラーゼ(シトシン-5)1(Dnmt1)は、CpGのメチル化維持の役割を担う主要酵素で、遺伝子発現の調節、寄生性DNA因子の抑制、ゲノムインプリンティング、胚形成などに極めて重要な働きをする。S期に二本鎖が共にメチル化されている親DNA鎖が複製されるときには、複製によって新たに生じたDNA鎖のCpGはメチル化されていないので、これらをメチル化するためにDnmt1が必要とされる。このメチル化は、エピジェネティックなゲノムのメチル化パターンの継承に不可欠である。Dnmt1には、このようなヘミメチル化DNAに対する親和性が本質的に備わっているが、in vivoでDnmt1を、新たに複製されたDNA鎖へと正しく誘導する仕組みは、まだ分子レベルでは解明されていない。Np95(Uhrf1、ICBP90とも呼ばれる)タンパク質は、SRA(SET and RING finger-associated)ドメインを介してメチル化CpGに結合する。今回我々は、マウスNp95が複製中のヘテロクロマチンに、ヘミメチル化DNAの認識により局在し、Dnmt1と複合体を形成してDnmt1を複製中のヘテロクロマチン領域へと誘導することを明らかにした。また、Np95を欠損した胚性幹細胞や胚を用いた実験から、in vivoでDNAメチル化レベルの全体的また局所的維持、またレトロトランスポゾンやインプリンティング遺伝子の転写抑制にNp95が不可欠であることが明らかになった。DNAメチル化のエピジェネティックな継承には、ヘミメチル化DNAとNp95、Dnmt1の結びつきが重要な位置を占めている。

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