Letter 進化:湖沼堆積物に記録が保存された宿主-寄生者間の「赤の女王」動態 2007年12月6日 Nature 450, 7171 doi: 10.1038/nature06291 宿主-寄生者間の敵対的な相互作用は、自然個体群の構造化において重要な力の1つであり、共進化を押し進める。しかしながら、長期にわたる宿主と寄生者の共進化、特に「赤の女王」動態(宿主-寄生者間相互作用のような敵対的な生物間相互作用は相互に進化する動態につながりうるとする説)を直接的に実証した例はまれであり、現時点で得られているデータは敵対的共進化の理論と一致するものの、その過程の経時的動態を明らかにしてはいない。休眠期のミジンコ属(Daphnia)とその寄生微生物はどちらも湖沼の堆積物内に保存されており、過去の遺伝子プールの記録保管庫となっている。今回我々は、これを利用して自然条件での急速な共進化動態を再構築し、寄生者がほんの数年の間に宿主に急速に適応することを示す。負の頻度依存選択に基づき、かつ当該の宿主-寄生者系に必須の性質を模倣して設計した共進化モデルから、これらの実験結果が確証された。宿主-寄生者間の共進化が続くという説と一致して、寄生者の伝染力は長期的にみて経時的変化がほとんどなかった。対照的に、寄生者が最初に堆積物内で見つかった時点から、寄生者の適応度が高くなるのに伴って毒性の定常的な上昇がみられた。 Full Text PDF 目次へ戻る