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細胞:無傷に近い上皮デスモソームにおけるカドヘリンの分子構造

Nature 450, 7171 doi: 10.1038/nature05994

接着斑はカドヘリンを基盤とする接着性の細胞間接合部であり、心臓や皮膚などの組織に存在する。多くの努力にもかかわらず、接着を媒介する分子界面ははっきりしていない。今回我々は、ヒト表皮ガラス質切片に低温電子線トモグラフィーを適用し、無傷に近い条件でのデスモソームカドヘリンの三次元分子構造を可視化した。三次元再構成像には、デスモソーム正中線に沿ってほぼ70 Å間隔で規則正しい密度配列がみられた。個々の高密度部分は、「古典的」カドヘリンの代表格であるC-カドヘリンのX線構造に似た湾曲した形をしていた。抽出したサブトモグラム(正中線付近から抽出した画像)をモデルとは独立に三次元処理すると、カドヘリンの配置が明らかになった。平均化したサブトモグラムにC-カドヘリンの原子構造を適合させたところ、transのW字状相互作用とcisのV字状相互作用が周期的に配列しているのがみられた。W字は対向する膜からの分子、V字は同じ膜からの分子にあたる。得られたカドヘリン配置のモデルは既存の二次元データを説明でき、カドヘリンを基盤とする細胞接着機構の理解をもたらす。

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