Letter 量子情報科学:光格子中で起こる中性原子対間の制御交換相互作用 2007年7月26日 Nature 448, 7152 doi: 10.1038/nature06011 光に捕獲された極低温原子からはロバストな量子コヒーレンスと制御性が得られ、量子情報処理や凝縮系物性物理学における複雑な問題のシミュレーションに有望な系になる。多くの量子情報処理スキームでは1個1個のキュービットを操作し、決定論的にエンタングルメント生成を行う必要がある。これは通常、キュービット間のよく制御された、そして状態に依存するコヒーレント相互作用を使って行われる。最近の実験では、光格子中に閉じ込めた原子集団間のエンタングルメントが実証され、この目標に向けて進展がもたらされた。しかし現在まで、重要な操作の1つである孤立した対の原子間の制御エンタングルメント操作は実証されていない。本論文では、2重井戸型ポテンシャルの光格子を使って対になった87Rb原子の配列を孤立させ、操作して、各対の間で制御エンタングリング相互作用を生じさせた。この実験は、中性原子系の制御交換結合を用いるという考えを実現したものになっている。87Rb原子はほぼ状態に依存しない相互作用をもつが、2個の原子を同じ物理的位置に置こうとすると、これら同一ボソンの波動関数の交換対称性から、状態に依存したダイナミクスが生じる。異なる振動準位を占める原子間でのスピンの繰り返し交換を10ミリ秒以上のコヒーレンス時間で観測した。この観測結果により、中性原子の(2個のキュービットの状態を交換する)量子SWAPゲートの不可欠な要素が実証された。これを「半分実行する」√SWAPゲートはエンタングルメントを起こし、単一キュービットの回転操作と合わせて、量子計算に必要なユニバーサルなゲート操作の集合を形成する。 Full Text PDF 目次へ戻る