Letter 進化:インプリンティングを受けた植物の遺伝子座MEDEAにかかる正のダーウィン選択 2007年7月19日 Nature 448, 7151 doi: 10.1038/nature05984 哺乳類および種子植物では、一群の遺伝子はゲノムインプリンティングによって制御され、対立遺伝子の活性はその遺伝子が父母のどちらに由来するかによって決まる。「父母間対立」(parental conflict)説では、ゲノムインプリンティングは胚への栄養供給組織(胎盤や内乳)が出現した後に進化し、その結果、母親から子への栄養分配を巡ってゲノム内での父母間対立が生じたと考えられている。父母間対立によって駆動される拮抗的な共進化で生じたインプリンティング遺伝子は、正のダーウィン選択を受けるはずだと予測されていた。本論文では、種子の発生に必須な植物のインプリンティング遺伝子MEDEA (MEA)が、8,500万〜3,500万年前の全ゲノム重複の際に生じたものであることを示す。重複後に、MEAは新機能獲得(neo-functionalization)および父母間対立説と一致する正のダーウィン選択を受けた。MEAは、他殖性の種であるArabidopsis lyrataでは急速に進化し続けているが、自殖性の種で父母間対立が低減されているシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)ではそうではない。MEAのパラログであるSWINGER(SWN、別称EZA1)は、恐らく共通の前駆遺伝子の祖先型機能を保持していたため、インプリンティングを受けず、強い浄化選択の下で進化した。MEAの進化から、ゲノムインプリンティングがアブラナ科の中で比較的最近になって生じたことが示唆されるが、一方、哺乳類系統ではインプリンティングが初期に生じたと考えられている。 Full Text PDF 目次へ戻る