Letter

物理:独立した源からの識別不可能な2電子間の干渉

Nature 448, 7151 doi: 10.1038/nature05955

単一粒子とそれ自身との量子干渉は広くみられるが、別々だが識別不可能な2個の粒子の間にも、これとよく似た量子干渉が起こりうる。単一粒子の場合は、干渉はその粒子波動関数の振幅同士の間で起こり、2個の粒子間の干渉は量子交換統計の直接の結果になる。このような干渉は、粒子が2個の空間的に離れた独立した源から注入された後、2個の別々の検出器に粒子を見いだす同時確率でのみ観測される。2粒子干渉計の実験的実現は既に何度か提案されている。これらでは、このような相関は、粒子は互いに相互作用しないにもかかわらず、2個の粒子の空間自由度間の量子もつれ(軌道もつれ)の直接の痕跡になることが示された。光学分野では、識別不可能な光子対を使った実験は、独立な光子から対を生成し光子の到着時間の同期をとることが難しかった。そのため、実験はコインシデンス測定による光子(ボソン)のバンチング検出に集中しており、電子を使った同様の実験はほとんどない。1個の源から出てくる電子流を分割し、それらの間の交差相関を測定した結果では、自己相関(ショットノイズ)測定で得られたものと似た情報が得られた。参考文献3の提案は、古典光を使った歴史的に有名なハンブリー・ブラウン-トゥイス実験を電子で行うものである。この提案では、量子ホール効果領域にあるエッジチャネルを使う電子マッハ-ツェンダー干渉計を用いる。本論文では、この干渉計を実際に作製して実験を行った。互いに独立で相互に非干渉性の2本の電子ビームを、おのおの2本のトラジェクトリーに分割し、計4本のトラジェクトリーが1つのアハラノフ‐ボーム磁束を囲むようにした。おのおのの電子流とそれらのゆらぎ(自己相関で測定したショットノイズ)はアハラノフ‐ボーム磁束に依存しないことがわかったが、このデバイスを挟んで反対側にある2個の点での電子流ゆらぎ間の交差相関は強いアハラノフ-ボーム振動を示した。これは、2本の電子ビーム間の軌道もつれを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度