Letter 進化:祖先集団のボトルネック効果が現生人類の表現型変異に及ぼした影響 2007年7月19日 Nature 448, 7151 doi: 10.1038/nature05951 解剖学的新人の起源と分化過程は盛んな議論の的となっている。世界的規模での遺伝子解析はアフリカ単一起源説を支持している。このシナリオは、アフリカで進化してきた現生人類の祖先が小規模なボトルネック効果を繰り返し受けながら、急速にその分布域を拡大していったことを示唆しており、このような分布拡大が、アフリカから地理的に離れるに従って遺伝的多様性が徐々に減少していくという事実につながっていったのであろう。一方、頭蓋データの分析結果はさまざまであるが、現生人類の多地域進化説を支持するものだと主張されてきた。本論文では、大規模な頭蓋計測データと、遺伝子データの分析に用いるのと同様の分析法を頭蓋計測値に用いることにより、遺伝的多様性の低下が、表現型変異の減少にも反映されていることを示す。我々は、現生人類がアフリカに1つの起源を有する証拠を見いだした。その場所は、アフリカ大陸中央部から南部のどこかであり、そこでは頭蓋計測値による表現型の集団内多様性が最大となる。しかし第二の起源地を見いだすことはできず、我々は、大規模な遺伝子データの分析からもこれらの結果を確認した。アフリカからの距離によって、頭蓋計測値における遺伝的変異の平均して19〜25%を説明できるが、これは従来環境の選択圧を受けるとされてきた表現型の計測値に対して、アフリカからの距離が著しく強く関連していることを示す。 Full Text PDF 目次へ戻る