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細胞:イネのケイ素外向き輸送体

Nature 448, 7150 doi: 10.1038/nature05964

ケイ素は、イネの健全な生育や安定多収に重要な栄養素である。イネの地上部には最大10%のケイ素が蓄積される。イネをさまざまな生物的、非生物的ストレスから守るには、この多量のケイ素の蓄積が必要である。イネでは、ケイ素を内向きに輸送する輸送体をコードする遺伝子Lsi1が既に同定されている。本論文では、これまで詳細が不明だった遺伝子low silicon rice 2(Lsi2)について報告する。この遺伝子は、Lsi1と類似性をもたず、根で構成的に発現している。この遺伝子がコードするタンパク質Lsi2は、Lsi1と同様にイネの根の外皮と内皮の両方の細胞の細胞膜に局在するが、細胞の遠心側に偏在するLsi1とは対照的に、同じ細胞の向心側に偏在する。アフリカツメガエルの卵母細胞でLsi2を発現させてもケイ素の内向きの輸送活性は起こらなかったが、卵母細胞にあらかじめケイ素を注入しておくとケイ素が排出されたことから、Lsi2はケイ素の外向きの輸送体であることが明らかになった。このケイ素輸送体の同定によって、植物のもつ独特な栄養素輸送機構が明らかになった。すなわち1個の細胞の片側に内向き輸送体を、もう片側に外向きの輸送体を備えることにより、細胞を横切る効率よい栄養素の輸送が可能になる。

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