Letter 海洋:沿岸の海洋堆積物における正味の二窒素ガスフラックスの反転 2007年7月12日 Nature 448, 7150 doi: 10.1038/nature05963 陸地と大気から河口域と沿岸海洋への窒素のフラックスは、この数十年間に大きく増加してきた。窒素負荷の観測値の上昇は、人口増加、都市化、水道と下水の設備拡大、化石燃料の燃焼と化学肥料消費の増加に原因がある。窒素の大部分は河口域と大陸棚の堆積物の脱窒素作用によって取り除かれ、外洋における人為的な富栄養化と窒素汚染の両方を低下させる。一方、窒素固定は下干潮帯の従属栄養型の海洋系では無視しうる過程であると考えられている。本論文では、米国のナラガンセット湾から得られた堆積物コアのデータについて報告する。このデータは、従属栄養型の海洋堆積物が、窒素の正味のシンクから正味のソース(供給源)へ切り替わりうることを示している。メソコスムおよびコアでの培養実験は、平均年間クロロフィル生産量のこれまでのデータセットとともに、気候によってもたらされる一次生産の低下がベントスへの有機物供給の減少と堆積物窒素の正味のフラックスの反転を引き起こすとする考え方を裏付けている。この結果から、河口域の一部は、もはや水柱から窒素を取り除いていないことが示唆される。その代わり、窒素が大陸棚と外洋に移出され、人為的な窒素負荷の影響が直近の沿岸帯を越えて移動している可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る