Letter 生態:生物多様性と生態系の多機能性 2007年7月12日 Nature 448, 7150 doi: 10.1038/nature05947 生物多様性の減少は生態系機能と生態系サービスに影響を及ぼしうる。個々の生態系機能は、一般的に生物多様性の増加と正の漸近的関係を示すことから、一部の種は機能的に重複していることが示唆される。しかしながら、生態系は複数の機能を果たすように管理・保全されており、そのためにはより大きい生物多様性が必要だと考えられる。今回我々は、草地の生物多様性実験の公表データを解析し、生態系の多機能性にはより多くの種数が必要であることを示す。我々は、望ましい影響を及ぼす種を特定するために、各生態系機能を個別に解析した。次に、生態系機能のすべての可能な組み合わせについて、正の影響をもつ種の数を計算した。得られた結果では、異なる生態系機能に影響している種のセットにはかなりの違いがみられ、平均重複率は0.2から0.5程度である。結果として、解析に含める生態系過程を多くするほど、総体的機能に影響する種の数は多くなった。特に、解析対象とした実験のすべてについて、検討対象の生態系過程の数と総体的機能に影響する種の数の間には正の飽和関係が存在した。種が異なれば影響を及ぼす機能も異なる場合が多いので、個々の過程を切り離してそれだけに注目する研究では、多機能をもつ生態系を維持するために必要な生物多様性のレベルを低く見積もってしまうことになると我々は結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る