Letter 生理:TRICチャネルは細胞内ストアのCa2+ハンドリングに必須である 2007年7月5日 Nature 448, 7149 doi: 10.1038/nature05928 細胞シグナル伝達には、Ca2+放出チャネルを介した細胞内ストアからの効率的なCa2+放出のみならず、それに伴い発生する一過性のマイナス荷電を中和するために、筋小胞体/小胞体膜を横断するカウンターイオンの動きも不可欠である。Ca2+放出チャネルは15年以上前に分子同定されたが、想定されるカウンターイオンの膜透過を仲介するチャネルの分子実体はいまだに不明である。今回我々は、多彩な動物細胞系の細胞内ストアに分布する2つのTRIC(trimetric intracellular cation)チャネルのサブタイプを報告する。TRICサブタイプは3本の推定膜貫通セグメントを有しており、弾丸様形状のホモ三量体を形成する。精製試料を用いた電気生理学的解析により、TRICは一価陽イオン選択的チャネルであることが解明された。TRIC欠損マウスは胎生期に心不全となり、その心筋細胞では細胞内Ca2+ハンドリングが著しく障害されていた。TRIC欠乏骨格筋の筋小胞体では、K+透過性の減少、およびCa2+スパークシグナルと電位依存性Ca2+放出の障害が観察された。これらの結果から、TRICチャネルは細胞内ストアからのCa2+放出と同期して機能するカウンターイオンチャネルと考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る