Letter

遺伝:単細胞藻類コナミドリムシではmiRNAが遺伝子発現を制御している

Nature 447, 7148 doi: 10.1038/nature05903

真核生物のマイクロRNA(miRNA)は、特定のRNAを標的として分解し翻訳を停止させるという方法で、遺伝子の転写後調節を行っている。miRNAは、完全に相補的ではない逆向き反復配列が部分的に二本鎖を形成している前駆体から、Dicerヌクレアーゼによって21-24個のヌクレオチドからなる二本鎖RNAとして切り出される。次に二本鎖の一方が、遺伝子サイレンシング機構のエフェクタータンパク質であるArgonauteヌクレアーゼによって使われる。短鎖干渉RNA(siRNA)はmiRNAと類似した分子で、同様にDicerによって作られるが、前駆体は完全な二本鎖RNAである。siRNAは、miRNAと同様に転写後調節とエピジェネティックなゲノム修飾に関与する。菌類、植物、原生動物、後生動物などを含むさまざまな真核生物がsiRNAを産生するが、これまで単細胞生物ではmiRNAの存在は報告されておらず、植物系列と動物系列とで別々に、多細胞性と共に進化したものと考えられてきた。本論文では、単細胞藻類であるコナミドリムシ(Chlamydomonas reinhardtii)にmiRNA、miRNAの進化上の前駆体と推定されるもの、および高等植物のものによく似ている複数種のsiRNAが存在することを明らかにする。藻類と高等植物のmiRNAとsiRNAに共通の性質があることは、RNAによるサイレンシングという複雑な機構が多細胞性に先立って進化し、原始的な真核細胞にも存在したことを示している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度