Letter 地球:米国南西部における深さ410 kmのメルト層の地球電磁気学的検出 2007年6月21日 Nature 447, 7147 doi: 10.1038/nature05922 地球上部マントル中の深さ410 kmにある地震学的不連続面上部に存在する深部メルト層つまり流体層は、遷移層「水フィルター」仮説で提案されているように、マントルの力学的性質や化学的分化と密接に関連している可能性がある。しかし、このような層の地球物理学的な検出は困難なことがわかっている。地磁気地電流法およびGDS(Geomagnetic Depth Sounding)法は、マントル内のメルトに敏感な地球物理学的手法である。本論文では、これらの方法を用いて深さ410 km近傍のはっきりとした構造を探った。上部マントルと遷移層の鉱物に水素を混ぜたときの影響に関する鉱物物理学的研究に基づいて、電気伝導度の深さ分布に対する応答の一次元フォワードモデルを計算した。これらのモデルは、深さ410 kmのメルト層が、アメリカ南西部(ツーソン)で地磁気地電流法およびGDS法により得られたデータと一致することを示している。このモデルに取り込んだ深さ410 kmのメルト層のコンダクタンスは3.0×104 Sであり、厚さは5〜30 kmと見積もられる。調べた地域的データ中で、これは問題のメルト層構造が見つかり、地域的な地震学的性質とも矛盾しない唯一のものである。この結果は、仮説で考えられた遷移層水フィルターは地域的に生じているが、全球的な特徴とは考えられないことを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る