Letter

環境:農作放棄後のアマゾン森林での窒素循環の回復

Nature 447, 7147 doi: 10.1038/nature05900

長期間風雨にさらされた土壌で生育する低地の成熟した熱帯林では、生産性を制限する最も一般的な栄養素はリン(P)であると広く考えられている。リンによる制限は若齢熱帯林にもあてはまるが、土地利用変化の間に失われた窒素(N)が栄養循環過程の化学量論的バランスを変える可能性がある。アマゾン流域では、原生林域の16%が皆伐され、現在はそれらの30〜50%が農業放棄された後に遷移し、二次林のさまざまな段階にあると推定される。今回我々は、森林年齢の時間的連続軸(chronosequence)に沿った解析を行い、農業放棄された後、長期間風雨にさらされた低地熱帯土壌で生育する遷移初期の森林が、温帯域にあって若い土壌で生育する、窒素が制限された森林とよく似た保存的な窒素循環特性を示すことを実証する。二次遷移が進行するにつれて窒素循環特性は回復し、また成熟した低地熱帯林に典型的な、保存的なリン循環が再び優勢となる。森林年齢に伴う窒素:リン比(N:P比)のこのような連続的推移は、温室効果ガスである一酸化二窒素の土壌からの放出が、最初は少ないが、その後徐々に増えていく機構の説明となる。森林の二次遷移の間の窒素循環とリン循環のパターンは、今回十年単位の時間スケールで実証されたように、土壌が数千年から数百万年を経過する一次遷移の間の窒素・リン循環のパターンと類似している。したがって、陸上生態系での窒素利用可能期間はごく短く、自然あるいは人為的撹乱によりいろいろな時間スケールで崩壊する可能性があることが明らかである。

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