Letter 生物物理:天然変性タンパク質の共役した折りたたみと結合の機構 2007年6月21日 Nature 447, 7147 doi: 10.1038/nature05858 タンパク質の折りたたみと結合は似た過程である。タンパク質はろうと状のエネルギー地形上で好ましい分子内または分子間相互作用を「探す」。真核生物のタンパク質の多くは生理学的条件下では変性状態であり、細胞内のターゲットに結合するときにだけ特定の構造に折りたたまる。結合に共役した折りたたみの機構はほとんど理解されていないが、理論的基盤から、結合速度は「毛針釣り(fly-casting)」効果によって増強されると仮定されてきた。このモデルでは、天然変性タンパク質はまず、その標的に弱く非特異的に結合し、本来結合すべき結合部位に近づくときに折りたたまるとされる。今回我々は、NMR滴定と15N緩和分散を用いて、転写因子CREBのpKID(phosphorylated kinase inducible activation domain)がCREB結合タンパク質のKIXドメインに結合する際、過渡的な遭遇複合体のアンサンブルを形成することを示す。遭遇複合体は、主に非特異的な疎水相互作用により安定化され、中間状態を経由してKIXから解離することなく完全な結合状態へと折りたたまる。pKIDのカルボキシル末端のへリックスは中間状態では一部だけが折りたたまれており、最終的な結合状態で形成される分子間相互作用によって安定化される。将来、我々の手法の応用により、天然変性タンパク質が多様な生物機能を果たすときの分子機構について新たな理解が得られるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る