Letter

宇宙:土星の磁気圏で外側へ流れるプラズマの起源としてのテティスとディオネ

Nature 447, 7146 doi: 10.1038/nature05906

地球の2倍以上の角速度で自転している土星は、その磁気圏にも急速な回転を与えている。その結果、低温で高密度のプラズマは、遠心力によって磁気圏の内側から外側へと吹き飛ばされ、外側の磁気圏から注入されるより高温で希薄なプラズマに置き換わると考えられている。回転する磁気圏中での遠心力によるプラズマ交換は、ずっと以前から予測されており、木星の磁気圏における観測によって最終的に確認された。木星の磁気圏は、地球とは異なり、土星のように回転が主な影響力をもつ。土星の磁気圏の最近の観測結果からは、遠心力による交換サイクルの内側へ移動する部分に当たると考えられる、高温で希薄なプラズマの幅の狭い注入領域が明らかになっている。本論文では、このような内側への注入領域付近にある低温で高密度のプラズマで得られる、電子の速度ベクトルと磁場ベクトルの成す角(「ピッチ角」)の分布についての観測結果を報告する。観測されたピッチ角分布は、外側へ向かうプラズマ流であることを示しており、土星の磁気圏における遠心力による交換と一致する。さらに、観測された「蝶型」ダブルピークを示すピッチ角分布は、ディオネとテティスの軌道付近の領域からのプラズマ輸送の結果と結論され、これらの衛星に個別にプラズマ・トーラスが付随するという考え方を裏付けている。

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