Letter 環境:温帯林および北方林の炭素循環にみられる人間活動の影響 2007年6月14日 Nature 447, 7146 doi: 10.1038/nature05847 北半球の温帯林と北方林は、2×107平方キロメートルに及び、重要な炭素シンクとなっている(年に0.6〜0.7ペタグラムの炭素を吸収隔離)。農業放棄に伴う森林の拡大がこの炭素シンク機能の重要部分となっていることは確実だが、大気中二酸化炭素の増加や気温上昇、管理施策の変化、窒素堆積が既存森林の炭素収支に及ぼす付加的影響は、大規模な観測ステーション網をもってしても解きほぐすことが困難である。この観測努力の妥当性も疑問視されているが、それはスポット観測では自然的(野火、病害虫、暴風)あるいは人為的(森林伐採)撹乱の関与を考慮に入れることができないからである。今回我々は、立木を置換させる撹乱に続いてみられる経時的動態によって、森林の炭素隔離における全体的変動のかなりの部分が説明できることを示す。しかしながら、撹乱の交絡作用を取り除くと、森林の正味の炭素隔離は、主に人間活動の結果である窒素堆積によって極めて強く駆動されていることがわかった。その影響は、現在入手可能なデータセットでわかる窒素堆積の範囲では常に正となり、自然条件下で生態系に窒素飽和状態が広まる危険性に対して疑問を投げかけるものである。この結果は、(森林管理を通じて)直接的であれ、(窒素堆積を通じて)間接的であれ、究極的には人類が温帯林と北方林の炭素収支を制御していることを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る