Letter 宇宙:大質量星の中心核崩壊の2年前に起きた大増光 2007年6月14日 Nature 447, 7146 doi: 10.1038/nature05825 大質量星の死からはさまざまな超新星が生まれ、それらの性質は、爆発する星の構造によって決まる。II型超新星の前駆天体の発見はいくつか報告されてきたが、水素が欠乏しているIb型およびIc型超新星の前駆天体については、直接的な情報はまだ得られていない。本論文では、特異なIb型超新星SN 2006jcが、2004年に発生した明るい可視光トランジェントと空間的に一致することを報告する。この超新星の分光測光観測から、前駆天体はヘリウムに富んだ星周物質に取り囲まれた、炭素と酸素からなるウォルフ・ライエ星だったことが示唆される。この爆発前のトランジェントに対して異なる説明もいくつか考えられる。これは、太陽の60〜100倍の質量の明るい青色変光星(LBV)の大増光に似ているが、SN 2006jcの前駆天体はヘリウムと水素が欠乏している点でLBVとは異なる。ウォルフ・ライエ星においてもLBVに似た増光が起こる可能性はあり、これはそのような現象の最初の観測的証拠となるのかもしれない。あるいは、2004年に爆発したLBVと、SN 2006jcとして爆発したウォルフ・ライエ星からなる大質量の連星系という考え方でも、この観測結果は説明できるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る