Letter

物性:アンダードープ高Tc超伝導体の量子振動とフェルミ面

Nature 447, 7144 doi: 10.1038/nature05872

20年にわたる研究にもかかわらず、高い転移温度の超伝導体の相図は不可解な部分が多い。本質的問題の1つは、超伝導領域を挟むこれら銅酸化物の2つのドーピング相に、異なる物理特性を生じさせる原因である。オーバードープ領域では、この物質は、大きいフェルミ面をもった従来型に近い金属のようにふるまう。しかし、アンダードープ領域は異常性が高く、コヒーレントなフェルミ面はもたず、不連続な「フェルミアーク」しかないようにみえる。そうすると、基本的な問題は、アンダードープ銅酸化物がフェルミ面をもつかどうか、もしもつならば、それがオーバードープ領域でみられるものとトポロジーが異なっているかどうかということになる。本論文では、規則的酸素配列をもつ銅酸化物YBa2Cu3O6.5の電気抵抗における量子振動の観測結果を報告し、超伝導が磁場で抑制されれば、アンダードープ銅酸化物の基底状態にはっきりとしたフェルミ面が存在することを示す。このフェルミ面は、その低周波数の振動から、小さいポケットからできていることがわかった。これは、オーバードープ領域に特徴的な大きい円筒とは対照的である。小さいポケットはYBa2Cu3O6.5に特有のバンド構造の一部であるか、あるいは、相図の臨界点におけるトポロジー変化から生じたものだという2つの解釈が考えられ、これらについて検討を行った。高い転移温度(高Tc)の超伝導体に関する我々の理解は、この2つの解釈のどちらが正しいと証明されるかによって大きく変わるだろう。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度