Letter 脳:教わることなく身につく記号的計算 2007年5月31日 Nature 447, 7144 doi: 10.1038/nature05850 記号的計算は、科学・技術・経済の基本だが、子どもがこれをできるようになるまでには普通、何年もの努力と指導、練習が必要である。おとなが暗算を行うとき、記号は使わずに、おおよその数の表現を思い浮かべて行うが、もしこの非記号系に損傷があると、成績が下がる。おおよその精度しか要求されない場合には、おとなも子どもも、さらに幼児でさえも、こうした非記号的な数の表現により、2つの点集団間の加算・減算を行ったり、計算によって求められた和や差を第三の点集団と比較したりできる。本論文では、言葉でものを数えることはできるようになっているが、計算を教わる寸前の幼い子どもでも、非記号的な数のシステムを基に、記号的な加算・減算を行えることを示す。社会的経済的に広い範囲に属する子どもが、実験室または学校という設定中で、大きな数の加減の概算を含む記号的な計算問題を解くことができた。したがって、記号的計算のいくつかの性質は、数字記号を操作する計算法を習う前の子どもにも手が届くものである。この結果は、子どもの記号的計算学習を困難にしている原因を限定するものであり、子どもの形式数学への取り組みを増やす方法を示唆する。 Full Text PDF 目次へ戻る