Letter 細胞:曲率変化を介する相互作用による膜タンパク質の集合と小胞形成 2007年5月24日 Nature 447, 7143 doi: 10.1038/nature05840 膜の再構築は、エンドサイトーシス、小胞形成、タンパク質選別などの細胞活動や、小胞体やゴルジ装置などの細胞小器官の生合成に重要な役割を果たす。再構築過程が、特殊化したタンパク質の助けを受けることはよく知られており、これらのタンパク質は膜を湾曲させるだけでなく、湾曲を感知でき、合成リポソームに添加すると管状構造の形成を引き起こす。膜の幾何学的構造のこうした大規模な変化に必要なエネルギーは、個々のタンパク質間やタンパク質-膜間の結合エネルギーをはるかに超えるので、協同的作用が必須である。最近、曲率変化を介した引力相互作用が協同作用を助け、膜再構築の際に特異的結合の遂行を補完していることが示唆された。しかし、実験でタンパク質間の直接的引力から曲率変化を介する相互作用だけを取り出すことは困難である。さらに、近似理論では、等方的に曲がっているタンパク質間には斥力が働くと予測されている。今回我々は、膜の粗視化シミュレーションを用いて、脂質二重膜上に吸着した、曲率変化をひき起こすモデルタンパク質が、純粋に膜の湾曲の結果として起こる引力相互作用を受けうることを示す。ごくわずかな局所湾曲が一度起これば、その影響によりタンパク質クラスター形成がロバストに押し進められ、その後、局所湾曲の跡に相関する半径をもつ小胞への変換が起こる。曲率変化を介する引力は普遍的なものなので、特異的な相互作用をもたないタンパク質間、例えば、新しく合成され小胞体内で未成熟な状態にある膜タンパク質の間でさえも作用する。 Full Text PDF 目次へ戻る