Letter 宇宙:M85銀河にある異例な明るさのトランジェント 2007年5月24日 Nature 447, 7143 doi: 10.1038/nature05822 歴史的に、変光する天体やトランジェントな天体は、どちらも予想外に出現したものであり、宇宙に関する新しい知見をもたらしてきた。本論文では、おとめ座銀河団にあるレンズ状銀河メシエ85番の周辺部に位置する可視光トランジェントの発見について報告する。この現象は、Rバンドでの絶対等級のピークが−12等級であり、新星より明るいことは確かだが、レンズ状銀河内の古い星の集団で出現が期待されるIa型超新星よりは暗い。この領域の記録画像では、該当位置にはgフィルターでの上限値約−4.1 等級の明るい星が認められず、高輝度青色変光星による大規模爆発であるとは考えにくい。このトランジェント天体は、2カ月間にわたりおよそ1047 ergの輻射エネルギーを放出し、その後、可視領域の天空から消えた。これは、M31銀河に出現した正体不明のトランジェントに似ているが、ピーク値では6倍明るい。M85 OT2006-1の起源は、星の合体であると考えられる。もしそうであれば、近傍銀河での類似現象の探査により、ハイパー・エディントン天体の物理学的性質の研究が可能になるだけでなく、連星系の進化における重要な段階を調べることができるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る