Letter 細胞:真核生物のリボスイッチによる選択的RNAスプライシングと遺伝子発現の制御 2007年5月24日 Nature 447, 7143 doi: 10.1038/nature05769 細菌は代謝物質の感知や遺伝子発現の制御にリボスイッチを広範に用いており、こうした例は転写の中途終止や翻訳開始の際にみられることが多い。細菌で知られているものの中で最も一般的なリボスイッチのグループは、ビタミンB1誘導体である補酵素、チアミンピロリン酸(TPP)に反応するものである。このグループを代表するスイッチは菌類や植物でも見つかっていて、メッセンジャーRNAのスプライシングやプロセシングを制御していると考えられている。今回、糸状菌の一種アカパンカビ(Neurospora crassa)がもつ3種類のTPPリボスイッチを調べ、mRNAのスプライシングを制御することによって、そのうちの1種類は遺伝子発現を活性化し、残る2種類は遺伝子発現を抑制することがわかった。リボスイッチを介して起こる塩基対形成の変化と選択的スプライシングの制御の詳しい機構は、TPP代謝にかかわるタンパク質をコードしているNMT1 mRNAの前駆体で明らかにされた。今回の知見から、真核細胞が中心となる生化学的過程を制御する上で重要なRNAスプライシング反応を、代謝物質に結合するRNAを使って調節していることがわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る