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南極:南極周極流における鉛直循環に生じる短絡箇所

Nature 447, 7141 doi: 10.1038/nature05832

海洋の鉛直循環は、熱、炭素、栄養分を地球全体に輸送し、深海におけるそれらの貯蔵を調節しているため、地球の気候システムや生物地球化学的循環において主要な役割を果たしている。南極周極流における混合過程は、高緯度水域において沈降した海水が南大洋で表層に戻ってくる速度を制御しているので、鉛直循環の重要な要素となっている。しかし、混合過程の速度と混合によって生じる湧昇の速度を、観測によって推定することは難しい。本論文では、自然界でのトレーサー放出、つまりドレーク海峡近くで起こる熱水噴出孔からの周極流へのマントルヘリウムの注入を利用して、周極流の流路の約1/10にわたる領域についてその中層における混合速度と湧昇速度を測定した。トレーサーの拡散から、等密度面に沿った急速な湧昇と等密度面を横切る強い混合が生じており、両者とも平均的な南大洋鉛直循環モデルで示唆されているよりも一桁高い速度で生じていることが明らかになった。これらの知見は、南極周極流が海底の複雑な地形の上を流れていくにつれて、等密度面に沿うか横切る深層水の経路のいくつかが強まり、絡み合って、この水域における鉛直循環に短絡箇所を作り出すという考えを裏付けている。

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