Letter 進化:アノールトカゲ属でみられる性的二形と適応放散 2007年5月10日 Nature 447, 7141 doi: 10.1038/nature05774 性的二形は、動物界のかなりの領域にわたって広くみられる。生物多様性と適応放散の両方に関心が高まっているにもかかわらず、そのような普遍的に存在する生物多様性の源泉がこれまで適応放散研究に組み込まれてこなかったのは意外である。それどころか、ほとんどの適応放散研究では、性に関係なく個体をグループ化するか、一方の性のみに注目してきた。今回我々は、西インド諸島に分布するアノールトカゲ属(Anolis)のトカゲの適応放散により生じた生態形態学(ecomorphology)的な多様性に、性差が大いに寄与していることを示す。すなわち、単一種内では雌雄の形態空間(morphological space;その生物のとりうる形態や構造を座標で表現したもの)はほとんど重複しておらず、雌雄間の差異の全般的な程度は種間差異と比較して大きく、差異の程度は生態型に依存している。したがって、生態と関連した形質にみられる性的二形が十分に大きい場合、その寄与を無視してしまうと、進化的放散の適応成分がかなり過小評価されてしまう可能性がある。反対に、生態学的多様化で性的二形と種間分岐が独立に働くようであれば、性的二形の程度は適応放散の程度と負の関係になる可能性がある。 Full Text PDF 目次へ戻る