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生化学:タンパク質の化学修飾の多様性を拡大すると翻訳後修飾を模倣できる

Nature 446, 7139 doi: 10.1038/nature05757

現在の科学で最も重要なパラドックスの1つは、遺伝子を使う場合の経済性の問題である。これまでに研究されている高等動物すべてで、最初に考えられていたよりも遺伝子数がずっと少ないことがわかっている。遺伝子という設計図がかなり限られているのに比べると、その最終産物の果たす機能は、はるかに複雑にみえる。高等生物では、多くのタンパク質の機能が翻訳後修飾(PTM)によって調節されている。このようなアミノ酸側鎖の修飾は、タンパク質の高次構造や機能の多様性につながるので、この遺伝子数と機能の複雑さが一致しないようにみえる理由の説明として最も有力である。天然のタンパク質生産方法では、普通はPTM混合物が生じ、その中では機能の詳しい分析や制御は難しい。これまで、複雑なPTMを完全に模倣したものは作れなかった。本論文では、細菌で発現させたタンパク質の(修飾のない)骨格に複数の修飾を加えることを可能にする化学的標識法の開発について報告する。この方法によれば、高等生物のPTMを模倣した有効に機能する混合物を再構成できる。広く使われるLacZレポーター酵素の骨格に適当な間隔をおいて適切な修飾基を結合させることにより、哺乳類脳の炎症や疾患を検出する高感度な系をもつタンパク質プローブを作製した。目的通りの修飾を選んだ位置に形成することにより、これまでの方法ではできなかった精密な構造を作ることや、選んだPTMを再編することが化学的に可能になる。入手しやすいタンパク質骨格とPTMの化学的制御を組み合わせるこのようなやり方により、タンパク質とPTMとの相互作用を調べるプローブを作り出す体系的基盤が得られる。したがって、この方法でモデル系を構築すれば、前述した遺伝子産物機能の複雑さの一部が解明できると予想され、最終的にはin vivo測定で得られた特定のタンパク質のPTMパターンをin vitro系で完全に再現することができると期待される。

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