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遺伝:旅の道づれ

Nature 445, 7130 doi: 10.1038/nature05562

全人類の半数以上は、消化管にピロリ菌(Helicobacter pylori)が感染している。ピロリ菌感染は消化性潰瘍の原因となり、胃癌のリスク因子でもある。単離ピロリ菌株の遺伝的変異の大規模調査によって、ピロリ菌の遺伝的多様性の分布にみられる主要パターンが、ヒト宿主の遺伝的多様性の分布パターンにそっくりであることがわかった。ヒトの場合と同じように、ピロリ菌も東アフリカからの距離が離れるにつれて次第に遺伝的多様性が減少していることから、人類がアフリカから外へ移住を始めた約58万年前には、既にピロリ菌に感染していたことがうかがわれる。また、人類とピロリ菌は同じ時間的スケールで東アフリカから拡散したとみられ、両者のかかわりは人類の「出アフリカ」よりも前までさかのぼると考えられる。また、ピロリ菌の遺伝子構成がヒトより多様なことも判明したため、ピロリ菌のDNA解析は今後の人類史研究に役立つかもしれない。

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