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植物:気孔細胞系列を作り出す非対称細胞分裂を制御する転写因子

Nature 445, 7127 doi: 10.1038/nature05491

発生の間に新しい細胞系列を確立するには、対称性を破る事象を要する場合が多い。植物では表皮中の非対称細胞分裂によって新たな細胞系列が生じ、最終的に気孔の孔辺細胞が作られる。気孔は植物と大気の間のガス交換で主たる通気口となる表皮中の小孔であり、光合成に重要であるとともに、地球全体の炭素循環や水循環に大きな影響を及ぼしている。最近の研究で、不適切な気孔形成を防ぐ細胞間シグナル伝達の存在が示唆された。しかし、気孔の形成に必要な遺伝子は発見されていない。今回我々は、塩基性ヘリックス・ループ・ヘリックス(bHLH)転写因子をコードする遺伝子SPEECHLESS(SPCH)を同定した。この転写因子は、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)が気孔細胞系列を作り出す非対称分裂を行うために必要十分である。我々はまた、気孔細胞系列の分化開始、増殖、および最終分化にSPCHと2つのパラログが順次必要であることを実証する。気孔のbHLHは、植物がもつ極めて重要な細胞種の1つを作り出すのに十分な分子経路を規定している。同じような分子および調節機構は筋および神経の発生でも使われており、このことは、ごく近縁なbHLH分子類が細胞の運命指定や分化によく保存されて用いられていることをはっきり示すものである。

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