Letter 物理:超伝導回路における光子数状態の分離 2007年2月1日 Nature 445, 7127 doi: 10.1038/nature05461 電磁気信号は光子の集合体であるが、回路内では配線中を電圧や電流として運ばれ、通常、光子エネルギーの離散性は目立つことはない。しかし、マイクロ波伝送路上の信号に超伝導量子ビット(キュービット)を結合させると、一個の光子の有無でも集積回路に大きな効果を急激に引き起こすことが可能となる。このような系は、光子が原子や量子ドットと相互作用する共振器量子電磁力学(QED)の回路版、つまり回路量子電磁力学で記述される。回路QEDデバイスは、キュービットが単一光子を何度も吸収再放出する共鳴強結合状態に到達しうることが既に示されている。本論文では、単一光子が吸収されなくともキュービットに大きな効果を及ぼす新しい領域、すなわち強分散極限で行った回路QEDの実験結果を報告する。この強分散状態の特徴は、キュービットの遷移エネルギーが、マイクロ波の各光子数状態に対応したスペクトル線に分離することである。各スペクトル線の強度は、対応する光子数を共振器中で見いだす確率の指標になる。この効果は、コヒーレントな場と熱的な場とを識別するのに使うことができ、光子統計の分析器にも使える可能性がある。この強分散極限では光子は吸収されないので、測定を介して光子をそのまま非古典的状態の生成に使うこともできると思われ、キュービットをつなぐバスとして用いて量子コンピューターのためのキュービット−光子制御論理演算を実行することも可能になるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る