Highlight 進化:赤潮を作る繊毛虫は「核泥棒」 2007年1月25日 Nature 445, 7126 doi: 10.1038/nature05496 「赤潮」の原因であるMyrionecta rubraは、ダーウィンがビーグル号航海中に太平洋で赤潮発生を見て以来、科学者たちの興味を集めてきた。M. rubraは、繊毛虫の中で唯一の真の光合成生物(主要なエネルギー源として光を用いる)として、光合成能をもつ永続的な内部共生体を保有していると考えられていた。しかし実は、M. rubraはクリプト藻であるGeminigera cryophilaという特定の餌生物から核を奪い、これを一時的に保持できることが最近の研究からわかっている。今回、奪われた核は30日間程度機能を維持し、奪った葉緑体とミトコンドリアの調節に使われていることが明らかにされた。karyoklepty(ギリシャ語で「核泥棒」の意味)と命名されたこの「オルガネラ牧場」とも言える生活様式は、生化学的能力を獲得するための強力な進化戦略であると考えられ、真核生物による葉緑体獲得のモデルとなりそうである。 Full Text PDF 目次へ戻る