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地球:地表に上昇して脱ガスするマグマの酸化還元進化

Nature 445, 7124 doi: 10.1038/nature05509

マグマにより運ばれる揮発性物質は、それが溶解していようと離溶していようと、マグマの力学的性質や地球大気の組成などのさまざまな地質学的現象に重要な影響を及ぼす。特に、地球表面で発散する火山ガスの酸化還元状態は、マグマ生成源のそれを反映しているとされ、大気中の酸素の長期的な進化を支配する最も重要な要素と考えられている。しかし、溶岩や関連気体の化学特性から推定された酸素フガシティー(fO2)は、1対数単位程度変動することがあり、そのような差が生じる理由は明らかではない。本論文では、火道の流れに対する物理-化学連結モデルを用いて、上昇するマグマとそこに共存する気体相の酸化還元状態の進化は、マグマ溜まり内の気体の組成と量の双方に強く依存することを示す。硫黄を含まないマグマは、上昇する際に2対数単位程度の系統的なfO2増加を示す。硫黄を含むマグマは、上昇する際にやはり酸化還元状態の変化がみられるが、変化の方向はマグマ溜まり内のfO2の初期値に依存している。我々の計算は、収束環境で観測される火山ガスのH2S/SO2比はかなりよく再現できるが、マグマ溜まり内と火山の火道出口におけるfO2の差は1.5対数単位程度になる可能性がある。したがって、噴出したマグマの酸化還元状態は、そのマグマから噴出する気体の酸化還元状態のよい代理指標には必ずしもならない。今回の結果から、地質学的過程でマグマ内の揮発性物質が果たす役割を定量化するためのモデルの再評価が必要になるかもしれない。

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