Letter 細胞:プロテオロドプシンをもつ海生フラボバクテリウムの成長は光によって促進される 2007年1月11日 Nature 445, 7124 doi: 10.1038/nature05381 プロテオロドプシンは細菌の光依存性プロトンポンプである。未培養海生細菌プランクトンのゲノム物質からプロテオロドプシンが発見されたときには大いに関心を集めたが、それは、従来絶対的な化学合成性だと考えられていたこれらの生物に光合成機能が存在する可能性を意味したからである。その後の研究で、プロテオロドプシンをコードする塩基配列は、世界の海洋全体に広く分布していることが明らかになった。だが、天然の海洋細菌でのプロテオロドプシンの役割はいまだにわかっていない。今回、3種の海生フラボバクテリウムの完全なゲノムの分析から、海生細菌プランクトンの主な構成要員の1つであるバクテロイデテス(Bacteroidetes)門に属する、培養された細菌にプロテオロドプシンが含まれることを明らかにした。また天然海水と人工海水(世界の海洋で多くみられる、易分解性有機物含量が低いもの)中での生育実験から、これらの細菌の1つ(Dokdonia sp. strain MED134)では、暗所で生育させた場合に比べて、光照射により細胞収量が大幅に増加することもわかった。したがって今回の結果は、天然の環境にある海生細菌プランクトンでは、プロテオロドプシンによる光合成で、呼吸や生命維持のためだけでなく、活発な成長に必要な量のエネルギーを供給できることが明らかになった。 Full Text PDF 目次へ戻る