Letter 細菌のダイナミン様タンパク質 2006年12月7日 Nature 444, 7120 doi: 10.1038/nature05312 ダイナミンは、大型の機械化学的GTPアーゼのスーパーファミリーを構成しており、そこには古典的なダイナミンとダイナミン様タンパク質(DLP)が含まれる。ダイナミンは真核生物に広くみられ、エンドサイトーシスや細胞小器官の分裂などの重要な細胞過程で機能している。多くの細菌にもDLPにみられるのと同じマルチドメイン構造をもつ大型のGTPアーゼがあることが、塩基配列から推測されている。ダイナミンファミリーに属するGTPアーゼの作用機構の詳しい解析を妨げているのは、現時点では、高分解能構造データがGTPアーゼドメインとプレクストリン相同ドメイン、ヒトのダイナミン関連グアニル酸結合タンパク質でしか得られていないことである。今回我々は、ラン藻のDLPについて、ヌクレオチドが結合していない状態とGDPが結合したコンホメーションの結晶構造を明らかにした。この細菌DLPは、らせんの自己集合、脂質二重層の管形成など、ダイナミンに似た特徴を示す。in vivoでは、塩基配列に相同性がある葉緑体特異的ダイナミン関連タンパク質FZLに似た形で膜に局在する。今回の結果から、構造や機構に関する手がかりが得られ、これはダイナミンスーパーファミリーに広く適用できると思われる。同時に、ラン藻と葉緑体のDLPに強い類似性があることも明らかになり、葉緑体の起源が細胞内共生に由来することを考えると、ダイナミンの進化起源に論議をよぶと思われる。 Full Text PDF 目次へ戻る