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Ras/MAPKシグナル伝達の区画化によって定められる胸腺での選択の閾値

Nature 444, 7120 doi: 10.1038/nature05269

健康な人は、正常組織への自己免疫性の攻撃を回避しながら、外来の病原体に対する免疫応答を開始できる。自己と非自己を見分ける能力は「免疫寛容」とよばれ、Tリンパ球の場合には、T細胞が分化成熟する過程で、正の選択を介したさまざまな機能的T細胞プールの生成と、負の選択による自己反応性であることが明白な胸腺細胞の除去を必要とする。本論文では、胸腺細胞がこのような細胞運命決定に至る仕組みを明らかにするために、正の選択と負の選択を区別する閾値の非常に狭い幅を認識するリガンドを同定した。我々は、選択の閾値では、T細胞抗原受容体に対するリガンド親和性の小さな上昇が、Rasおよびマイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)シグナル伝達中間体の活性化と細胞内局在に顕著な変化を引き起こし、負の選択を誘導することを示す。細胞内でシグナル伝達分子を区別して区画化する能力は、胸腺細胞にアナログ入力(親和性)の小さな変化をデジタル出力(正の選択か負の選択か)に変換する能力を与え、中心となる寛容を確立する基盤となる。

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