Letter 熱放射走査型トンネル顕微鏡 2006年12月7日 Nature 444, 7120 doi: 10.1038/nature05265 標準的な近接場走査型光学顕微鏡(NSOM)では、サブ波長プローブが、外部からの光照射によって試料表面に生じる近接場分布を測定する光「聴診器」の機能を果たす。この手法は、可視光、赤外光、テラヘルツ光、およびギガヘルツ光で試料を照射し、回折限界をはるかに超えた分解能を得るのに使われている。NSOMは、表面プラズモンや表面フォノンポラリトンなど、表面波の研究に適している。可視光レーザーを照射する開口型NSOMを使い、囲いの形をした構造の周りの近接場干渉パターンが観察されているが、このパターンの特徴は、量子囲いにおける電子波の走査型トンネル顕微鏡像と似ている。本論文では、外部から光照射を行わなくても作動する赤外NSOMについて述べる。これは、暗視カメラの近接場版と言えるもので、表面が放出する熱赤外エバネセント場を利用しており、光学走査型トンネル顕微鏡のようにふるまう。そのため我々は、この装置を「熱放射走査型トンネル顕微鏡」(TRSTM)と名づけ、熱励起した表面プラズモンの最初のTRSTM像を示し、近接場熱放射の空間コヒーレンス効果を実証した。 Full Text PDF 目次へ戻る