Letter

ドープされた立方晶シリコンにおける超伝導

Nature 444, 7118 doi: 10.1038/nature05340

標準的な結晶形の半導体シリコンの局所抵抗は、元素をドープすることによって何桁も変化させることができるが、今のところ超伝導は実現していない。したがって、シリコンの半導体的特性と超伝導性を組み合わせた複合デバイスは、概して開発が遅れている。今回我々は、平衡溶解度を超える濃度のホウ素がシリコンに局所的に導入されたときに、超伝導性が誘発されうることを報告する。十分に高い濃度のホウ素(一般的には100 p.p.m)をドープすると、シリコンは金属的になる。GILD(gas immersion laser doping)により達成した数パーセントというさらに高いホウ素濃度で、シリコンが超伝導体になることがわかった。電気抵抗と磁化率の測定結果から、この方法で作製されたホウ素ドープシリコン(Si:B)が、転移温度Tc≈0.35 K以下で、臨界磁場が約0.4 Tの超伝導体になることが示された。ラマン測定によって確証されたab initio計算結果は、ドーピングが置換型であることを強く示唆している。電子-フォノン結合強度の計算値は、従来のフォノン媒介結合メカニズムに合致することが判明している。今回の知見によって、新しいシリコン系超伝導ナノ構造体や高品質界面をもつメゾスコピックデバイスの作製が容易になるだろう。

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