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ヒナゲシの自家不和合性は花粉の可溶性無機ピロホスファターゼを標的としている

Nature 444, 7118 doi: 10.1038/nature05311

高等植物の有性生殖では、花粉と雌ずいが相互作用する。同系交配を防止するための重要な機構の1つが、不和合性(「自己」)の花粉を拒絶することによる自家不和合性である。ヒナゲシ(Papaver rhoeas)では、柱頭が発現するSタンパク質が不和合性の花粉と相互作用し、Ca2+依存性のシグナル伝達ネットワークを始動させて花粉管の抑制やプログラム細胞死を起こす。不和合性の花粉で確認されている細胞質リンタンパク質p26.1は、in vivoで自家不和合性が誘導するCa2+依存性の急激な過剰リン酸化を受ける。本論文では、p26.1がPr-p26.1aおよびPr-p26.1bという2種類のタンパク質からなり、これらが可溶性無機ピロホスファターゼ(sPPアーゼ)であることを示す。この2つはMg2+依存性の典型的なsPPアーゼ活性を有しており、Ca2+で阻害され、意外にもin vitroでリン酸化される。我々は、リン酸化がsPPアーゼ活性を阻害することを明らかにし、従来知られていなかった真核生物のsPPアーゼ調節機構の存在を立証する。sPPアーゼ活性の低下はさまざまな生合成経路の抑制につながることが予想され、自家不和合性による花粉管抑制の機構がほかにも存在する可能性が考えられる。本研究では、sPPアーゼが成長に必要であり、自家不和合性によって無機ピロリン酸が増加することが実証されたが、これはPr-p26.1の機能的役割を示すと考えられる。

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